時間旅行の世紀 第二章 

(7)

にゃん!僕、猫田ヒカルには・・・このタイプの傾向があると言えます。

正義感が強く、欠点を正すことに全力を注ぐ熱血漢。

道徳的・信頼に足る・建設的な考え・賢い・公正・正直・努力を惜しまない・責任感が強い。

世界を変えることに情熱を注ぐ完璧主義者。

ステロタイプ・イメージにおけるドイツ人のような気質。

自分の欠点を改めるために努力する。

物事が、きちんとしていないと、イライラする。

時間の浪費と思われることをしたり、付き合ったりすることを好まない。

他の人よりも取り越し苦労で、心配性だ。

人の道に外れたことはしたくないと思う。

する事がたくさんあるのに時間が足りず、いつも急き立てられている。

自分はどのように時間を使ったか、細かくチェックしてしまう。

悪いことは、どうしても許せないと、すぐ思い込んでしまう。

物事が公正でないと悩み、当惑する。

向上心が強く、もっと向上しなければいけないと思っている。

しばしば、欲求不満に駆られる。この自分も、まだ完全ではないからだ。

(8)

やるせない 気持ちのまま 時だけが 流れてゆく
・・・どうか 奈落の底へ 堕として

2011年 粉雪が舞うクリスマス・イブ

広場のクリスマス・マーケットで温かいグリュー・ワインを飲みながら、僕は、煙草に火をつけた。

青い目をした女の子が、ぎゅっと僕の腕にしがみつき、名もなき楽団の奏でる賛美歌に耳を傾ける。

教会の鐘の音にさえぎられながらも、僕らは、聖夜へ向かう夕暮れ時を楽しんでいた。

・・・と言うより、楽しまなくてはならないという強迫観念が、僕の頭を支配していた。

若くして成功を収め、ヨーロッパで悠々自適の日々。僕は、ここで、夢のような暮らしを手に入れたはずだった。

なのに、満たされない想いが胸を詰まらせる。いつも、何かに焦り、怒っている自分がいる。

25日は欧米の習慣で、人々は家族と過ごすことになる。

僕は独り、とある国のNo Smoking Hotelにいた。

今時、喫煙可能なホテルなんて、ほとんど存在しないんだから・・・禁煙ルールは無視するしかない。

僕は、優雅に煙草をくゆらせながらでないと、この原稿を書けない。音楽も作れない。まず、生きてる気がしない。

権力は、社会や経済が危機に陥ると魔女狩りのような、くだらない規制を強める傾向があるようだ。

少数派を排除することで、多数派である愚かな大衆の不満を和らげる。
これ、大衆支配の基本ナリ。YAY! 大学で歴史を学んだ “Me” には、わかるぞ。

そういえば、世界初の禁煙国家はナチス・ドイツだったよな?
戦況が悪化すると、禁煙ファシズムはユダヤ人という少数派を新たな魔女に仕立て上げたっけ。

20世紀、世界恐慌の時代の米国には、禁酒法もあったんだよな。
現代でも、フェイスブックなんかは、アルコールについての話題を多くの人にリーチさせないようにしてるけどな。

まったく・・・ No Smoking Hotelのせいで、どうでも良いこと考えちまったじゃねえか。

ますます、イラッときた僕は・・・

“Here is No Smoking Hotel” との注意書きが貼ってある壁を殴りつけた。

確かに、思いっきり殴った。
・・・が、しかし、僕は(ボクシングの)マニー・パッキャオでもクリチコ兄弟でもない。

音を立てて、崩れ落ちる壁には、人が通れるほどの大きな穴が開いていた。

ホテルへの賠償金を心配しながら、恐る恐る、開けてしまった穴の向こうを見た。

すると、何か階段のようなものが見える。

(9)

この安ホテルは昔、刑務所か何かだったらしい。

この階段は、その当時の名残りなのかもしれない。

ちょっとした好奇心から、階段を下りてみる。

ずいぶん、下ってみたが、まだ続きがあるようだ。

そろそろ、引き返そうかと思っていた時、ジンクルベルの Melody が、はるか下の方から聴こえてきた。
何やら、怪しげな Party が地下室で行われているのかもな?

もう15分は階段を下っただろうか?
ジングルベルは、たいぶ、はっきり聴こえる。もう、すぐだ。

ようやく、古びた扉を一つ、見つけた。

開けるべきか、このまま引き返すべきか、一瞬、迷ったが・・・迷いは、ほんの数秒だった。

“Nothing to lose” どうせ、失くすものなんて何もない。僕の人生なんて、ロクなもんじゃないんだから。

心を決めて、開けた地下室の扉の奥は・・・ ドブネズミが這い回る、奈落の底だった。

慌てて、引き返そうとしたが、扉が、とても重く感じられる。

「おう、こっちだ。早くしろ」

振り返ると、黒いスーツの日本人と思われる男が立っていた。

状況を理解する余裕もなく、その男の後をついて、走った。
走りながら、奈落の底が、レストラン厨房ウラのゴミ捨て場だったらしいことは、理解した。

非常階段から、ようやく地上に脱出すると、男が「吸うか?」と言いながら、タバコを差し出してきた。

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